Story
富山県の小さな町で介護士として働く浅岡信治(成田凌)。ソロキャンプが趣味で寡黙な性格の彼は、派手好きでSNSでの動画配信やアイドルの推し活に夢中な妻・明希(山谷花純)との間に温度差を感じながらも、それなりに幸せな日々を送っていた。
だが、2人のささやかな生活は、ある日を境に一変する。地域のクリニックでワクチンを摂取した翌日、明希が自宅で帰らぬ人となってしまったのだ。失意に暮れるなか、愛する妻が亡くなった原因はワクチンにあると考えた浅岡は、妻の遺影を抱えて担当医師・高野(淵上泰史)を激しく糾弾する。対する高野は「僕にできることがあったら遠慮なく仰ってください」と言うものの、自らの非を認めようとはしない。やりきれない思いは怒りへと変わり、浅岡は雨の日も風の日もクリニックの前に立ち、無言の抗議を続ける。
そんな彼に目を付けたのは、とある事情で地方紙に異動となった記者・福島美波(沢尻エリカ)。
上昇志向の強い彼女が「反ワクチンとかどうでもいい。泣ける記事になります」と上司の反対を押し切って世に出したその記事はネットを中心に大バズし、拡散に次ぐ拡散で彼は一躍時の人に。同僚の勧めでSNSのアカウントを開設した浅岡はあっという間に万超えのフォロワー数を誇るインフルエンサーとなり、“反ワクチンの象徴”として祭り上げられていく。
“民意”を得たことでSNSに取りつかれ、高野クリニックの前でライブ配信を行うなど、バッシングを繰り返すなど、日ごとにエスカレートしていく浅岡。彼のシンパが過激な陰謀論者となって暗殺事件を起こしたことで狂騒はさらに過熱し、界隈で人気の“世直し系ユーチューバー”とのコラボによって浅岡は手の付けられない存在になっていく。福島による再三の忠告も無視し、「あっという間に仕上がりましたね」と嫌味を言われても、浅岡は止まらずに突き進んでいく。そんな彼の前に意外な人物が姿を現し、衝撃的な事実を告げるのだった……。
狂気が蔓延する時代と社会に踊らされ続けた男が、混沌の果てに見た景色とは――?









